🐈⬛第8話
子猫にとって「寒さ」が命取りになる理由
子猫は自分で体温調節ができない(生後3週目まで)

人間の赤ちゃんと同じように、生まれたばかりの子猫は、自分で体温を一定に保つ機能がまだ備わっていません。
生後3週齢ごろまでは、母猫にぴったり寄り添うことで体を温めてもらうのが前提の体のつくりをしています。
母猫と一緒にいれば問題ありませんが、はぐれたり、保護されたりした場合は話が変わります。
外気温に体温をあっという間に持っていかれてしまうのです。
ここで多くの人が誤解しやすいのが「季節」です。
「夏なんだから大丈夫でしょ」と思いがちですが、これが危険な落とし穴です。
私が子猫を保護したのは6月の、むしろ蒸し暑い時期でした。
なのに、目の前の子猫は触るとひんやり冷たく、目はグジュグジュ、鼻水もだらだら出ている状態でした。
「猫って体温高いはずなのに、なんでこんなに冷たいの…?」と、正直かなり焦りました。
夏場であっても、雨に濡れた子猫、エアコンの効いた部屋に長くいた子猫、母猫とはぐれてしばらく経った子猫は、
あっさり低体温症になります。
低体温症になると動きが鈍くなり、ミルクを飲む力も落ち、最悪の場合そのまま衰弱してしまいます。
「夏だから暑すぎるくらい」という先入観は、いったん脇に置いておいてください。
⚠️ 重要:低体温症の子猫は、保温しながら速やかに動物病院へ
体が冷えていることに気づいたら、この記事で紹介する方法で保温しながら、
できるだけ早く獣医師に診てもらってください。
家での保温はあくまでも「病院へ連れて行くまでのつなぎの応急処置」です。
体を温めたからといって、受診を後回しにしないでください。
子猫が快適に過ごせる理想の室温(28〜30度)と湿度(50〜60%)
保護した子猫の快適な環境の目安は次のとおりです。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 室温 | 28〜30℃ |
| 湿度 | 50〜60% |
特に生後2〜3週齢以下の子猫には、この温度帯をできるだけ安定して保つことが大切です。
大人の猫や人間にとっては「少し暑いかな」と感じるくらいの温度が、子猫にとってはちょうど良い環境です。
また、湿度が低すぎると粘膜が乾燥し、鼻水や目やにの症状が悪化しやすくなります。
逆に湿度が高すぎるとカビや雑菌が繁殖しやすくなるため、50〜60%を目安に管理してください。
温湿度計をひとつ用意しておくと、感覚に頼らず数字で確認できるので安心です。
エアコンだけじゃ足りない!ケージ内の「部分保温」のやり方
エアコンで部屋全体を28〜30℃に設定するのは、真夏でもない限り現実的ではありませんし、
人間側が正直つらくなります。
そこで重要になるのが
「部屋全体ではなく、子猫がいる場所だけを集中して温める」という考え方です。
家にあるものでできる:湯たんぽとタオルの敷き方
犬を飼っている知人に「低体温症だから今すぐ温めて!」と言われた私は、
夏なのに押し入れからありったけの冬物衣類を引っ張り出し、
ダンボールに敷き詰めて子猫を包みました。あのときは本当に必死でした。
緊急時に家にあるもので保温する場合、基本の組み合わせはこうです。
【ダンボール+タオルの保温ベッドの作り方】

- 適度な大きさのダンボール箱を用意する
- 底に古いタオルや毛布、着古したTシャツなどを厚めに敷く
- 湯たんぽやペットボトル湯たんぽを作り、タオルでしっかりくるんで端に置く
- 子猫を中央に寝かせ、体の周りもタオルでふんわり包む
タオルでくるまずにヒーター類を直接肌に触れさせるのは低温やけどの原因になるため、
必ず布を一枚以上かませてください。
【体験談コラム】ペットボトル湯たんぽと使い捨てカイロの注意点
ペットボトル湯たんぽは、お湯を入れてタオルに巻くだけで手軽に作れますが、
冷めるのが早いのが難点です。
私が実際に使ってみたところ、1〜2時間もすればすっかり冷めてしまいました。
夜間など長時間の保温には向いていないので、こまめに交換するか、
後述のペット用ヒーターと組み合わせて使うのがおすすめです。
使い捨てカイロは温度が長持ちして便利ですが、ひとつ絶対に守ってほしいルールがあります。
それが「密閉空間に大量に置かない」ことです。
使い捨てカイロは空気中の「酸素」を消費しながら発熱します。
蓋を閉め切ったダンボールの中や、通気口の少ないケージの中にたくさん置くと、
中の酸素が急激に減って「酸欠(酸素不足)」を引き起こすリスクがあります。
生まれたばかりの子猫は自分で動けないため、苦しくても逃げることができません。
◾️安全に使うためのルール
- ダンボールを使う場合は、蓋は必ず開けっ放しにする
- 密閉されたケージ内には入れない
- 1〜2個程度にとどめ、置きすぎない
- 子猫の体に直接触れないよう、タオルで包んで端に置く
お留守番や夜間も安心な「ペット用ヒーター」の選び方

カイロや湯たんぽはあくまで応急処置として使えますが、
「仕事中の長時間留守番」や「夜間の温度管理」
を安定させるには、ペット用ヒーターが断然おすすめです。
ペット用ヒーターを選ぶときのポイントはこの3つです。
- 温度調節ができるもの:一定温度しか出ないものよりも、低・中・高など調節できるタイプが使いやすい
- サーモスタット付き、または低温設定があるもの:温めすぎを自動で防いでくれる
- 噛んでも安全なコード設計のもの:子猫はコードをおもちゃにして噛むことがあります。コードにカバーがついているものや、コードレスタイプを選ぶと安心
(おすすめの商品リンクをここに配置)
ペット用ヒーターをケージの中に設置するときは、次のセクションで説明する
「低温やけど対策」と「逃げスペースの確保」もセットで行ってください。
低温やけどを防ぐ!ヒーターを使うときの絶対ルール
ヒーターの上に必ずバスタオルを巻く
子猫はまだ感覚が鈍く、「熱い」と感じても自分でヒーターから離れられないことがあります。
また、同じ場所に長時間触れていると、
表面はそれほど熱くなくても皮膚の深部がじわじわとダメージを受ける「低温やけど」が起こります。
低温やけどは気づきにくく、表面の毛が焦げていたり、
後から皮膚がただれてきたりして発覚することもあります。
防ぐための対策はシンプルです。
- ヒーターの上には必ずバスタオルや厚手のタオルを重ねて敷く
- 薄いタオル1枚では不十分なので、2枚重ねにする
- 定期的にヒーター周辺の子猫の皮膚状態をチェックする
ケージの中に必ず「暑いときに逃げられるスペース」を作っておく
もうひとつ、忘れがちだけど重要なルールがあります。
それは「ヒーターから逃げられる場所を用意する」ことです。
体が温まりすぎたとき、子猫が自分で涼しい場所へ移動できるよう、
ヒーターが届かないスペースをケージの中に必ず残しておいてください。
具体的には、
- ケージの半分だけにヒーターを設置し、残り半分はヒーターを置かない
- ヒーターの反対側に、タオルだけを敷いたスペースを作る
こうしておくと、子猫は自分で温度を調整しながら移動できます。
ケージ全体を均一に温めようとしてヒーターを詰め込むのは、かえって危険です。
まとめ & 次のステップ
この記事でお伝えしたことをまとめます。
- 子猫は夏でも低体温症になる。「冷たいと感じたら即保温+速やかに受診」が基本
- 保護中の理想環境は室温28〜30℃、湿度50〜60%
- 緊急時はダンボール+タオル+湯たんぽで対応。使い捨てカイロは換気必須、密閉空間での大量使用は厳禁
- 長期的な保温にはペット用ヒーターが安定していておすすめ
- ヒーターはタオルを重ねて使い、逃げスペースを必ず確保する
体が温まり、ご飯を食べて少しずつ元気が戻ってくると、ペット禁止賃貸での次の試練がやってきます。
それが「夜泣き」です。
昼間は静かにしていた子猫が、夜になると大きな声で鳴き続ける。
壁の薄い賃貸ではヒヤヒヤもの、という方も少なくないはず。
次の記事では、子猫が夜泣きする原因と、今夜からできる緊急対策についてお話しします。


