🐈⬛第4話
突然、小さな命を手のひらに乗せることになって、頭が真っ白になっていませんか?
「何を用意すればいい?」
「ミルクってどうやって飲ませるの?」
「うんちはどうするの?」
——不安で当然です。
私も初めて子猫を保護したとき、まったく同じ気持ちでした。
生後0〜3週間の子猫は、歯も生えておらず、ひとりではご飯を食べることも、
おしっこ・うんちをすることもできません。でも大丈夫。
正しい手順さえ知っていれば、あなたがその子の
「代わりのお母さん」になれます。
今日からすぐ実践できるよう、必要なグッズから具体的な手順まで、
ひとつひとつ丁寧にご説明します。
明日までに絶対に揃えるべき「授乳・排泄グッズ」

まず最初に、今すぐ用意してほしいものが3つあります。
ホームセンターやペットショップで手に入るものがほとんどですが、
急ぎの場合はネット注文の即日・翌日配送を活用してください。
子猫に与えられる時間は、本当に一刻を争います。
① 子猫専用の粉ミルク
人間用の牛乳は絶対に与えてはいけません。
猫は「乳糖不耐症」といって、牛乳に含まれる乳糖を消化することができません。
必ず「子猫専用」と書かれた粉ミルクを選んでください。
急ぎの時は、ドラックストアやホームセンターに紙パック子猫用ミルクもあります。
子猫の成長に必要な栄養素がバランスよく配合されていて、
お腹にも優しい設計になっています。
私が保護当時使っていたのは、 森乳サンワールドの
「ワンラック キャットミルク」 です。
コスパも良く、溶けやすく、子猫の飲みもよかったです。
何より近くのペットショップでも手に入りやすいのが助かっています。
(サンラックミルク)
② 子猫用の哺乳瓶(ナーサーキット)
普通のスポイトや人間の赤ちゃん用哺乳瓶では、
ミルクが出すぎてむせてしまったり、逆にうまく吸えなかったりします。
子猫の小さな口に合った、乳首が柔らかく、吸い付きやすい専用の哺乳瓶を用意しましょう。
「ナーサーキット」という名前で販売されているものが定番です。
乳首の穴のサイズが子猫の月齢に合わせて設計されているので、初めての方でも安心して使えます。
(サンワールド哺乳瓶)
③ 排泄用のコットンまたは赤ちゃん用おしりふき
授乳と同じくらい大切なのが「排泄のサポート」です
(詳しくは3章で説明します)。その際にお尻を優しく刺激するために使います。
選ぶポイントはたったひとつ、「ノンアルコール」であること。
アルコール入りのウェットティッシュは、皮膚の薄い子猫にとって刺激が強すぎます。
赤ちゃん用のおしりふきか、水で湿らせたコットンがちょうどよいです。
【実践】子猫用ミルクの正しい作り方と飲ませ方
グッズが揃ったら、さっそく授乳の準備をしましょう。ここで
「正しい飲ませ方」を知っておくことが、子猫の命を守るうえでとても重要です。
ミルクの適温は「人肌(約38〜40度)」
粉ミルクを溶かすときは、必ずぬるま湯(約38〜40度)を使ってください。
熱すぎると口の中をやけどしてしまいますし、冷たいとお腹を壊してしまいます。
作り方の手順:
- 清潔なカップに、パッケージ記載の分量の粉ミルクを入れる
- 40度前後のお湯(沸かしてから少し冷ましたもの)で溶かす
- よくかき混ぜて、ダマがなくなったら哺乳瓶に移す
- 手首の内側に数滴垂らして温度を確認する(ほんのり温かければOK)
一度作ったミルクは時間が経つと傷みます。
作り置きはせず、毎回新しく作ることを習慣にしてください。
絶対にやってはいけない「仰向け抱っこ」での授乳

仰向けの姿勢では、ミルクが食道ではなく気管に入ってしまう
『誤嚥(ごえん)』を起こしやすくなります。
小さな子猫の気管にミルクが入ってしまうと、
呼吸困難や深刻な体調不良を引き起こす原因になり、
とても危険です。もしうまくミルクが飲めずに苦しそうな様子があれば、
すぐに動物病院の先生に診てもらってくださいね。
正しい授乳の姿勢はこちら:
- 子猫を腹ばいの状態にする(自然に授乳している姿勢に近い)
- 頭を少し高くして、床や膝の上に置いて安定させる。
- 哺乳瓶は水平よりやや斜め下から差し込む
- (上から垂らすのではなく、子猫が自分で吸わせる)
- 子猫がゴクゴク飲んでいる音を確認しながら、ゆっくり進める
私も最初は「なるべく顔を見ながらあげたい」
という気持ちで仰向けにしてしまいそうになりましたが、
腹ばいにしたほうが子猫自身もリラックスして飲んでくれる、
と気づいてからは迷わなくなりました。
飲む量の目安と授乳の回数(2〜3時間おき)
生後0〜3週間の子猫は、1回に飲める量がとても少なく、
消化も早いため、こまめな授乳が必要です。

子猫の安否確認もできるし、眠いけど私も安心するよ
授乳の目安:
- 週齢1回の量の目安授乳間隔生後〜1週2〜4ml2時間おき
- (夜間も)生後2週5〜7ml2〜3時間おき生後3週7〜10ml3時間おき
- ※個体差があります。パッケージの記載量も必ず参考にしてください。
「夜中も2時間おきに…」と聞いて、くじけそうになる気持ちはよくわかります。
わたしも、子猫に何かあったらどうしよう、と緊張しっぱなしの日々を過ごした時期がありました。
でも、この時期を一緒に乗り越えることが、その子との深い絆につながります。
睡眠を交代できる家族がいれば、ぜひ協力してもらってください。
親猫の代わりに!自力でできない「排泄」をさせる手順

授乳と並んで重要なのが、「排泄のサポート」です。
これを知らないでいると、子猫が苦しい思いをすることになってしまいます。
なぜ排泄のサポートが必要なのか?
生後3週間ほどの子猫は、自分の意志でおしっこやうんちをする筋肉が未発達です。
本来は親猫がお腹やお尻をペロペロと舐めることで刺激を与え、排泄を促しています。
親猫がいない場合、あなたがその役割を担う必要があります。
排泄サポートをしないと、膀胱や腸に尿や便が溜まって、
最悪の場合、命に関わる状態になることもあります。
「かわいそう」ではなく、
「必要なケア」だと思って、ためらわずやってあげてください。
ぬるま湯で湿らせたコットンでお尻を優しくトントン叩く
手順:
- ぬるま湯(38度前後)でコットンまたはおしりふきを湿らせる
- 子猫を腹ばいにさせて、片手で優しく支える
- 湿らせたコットンで、肛門とその周囲を円を描くように、または上下に優しくトントンする
- 子猫がいきみ始めたら、そのまま続ける
- 排泄できたら、清潔なコットンで拭き取る
ポイント:
- 力を入れすぎず、あくまで「刺激を与える」イメージで
- おしっこは数回のトントンで出ることが多い
- うんちは少し時間がかかることもあるので、焦らずゆっくり
授乳のたびに排泄サポートをするのが理想です。
最初は「本当に出るのかな…」と半信半疑でしたが、
コットンを当てた途端にじわっとおしっこが出たときは、思わず
「よかった!」と声が出ました。
おしっことうんちが出たあとの衛生ケア
排泄後は、お尻周りを清潔に保つことがとても大切です。
汚れが残っていると皮膚炎の原因になります。
清潔なコットンや おしりふきでやさしく拭き取ってください。
拭き取り後は、ドライヤーの弱風か清潔なタオルで軽く乾かしてあげましょう。
湿ったままにしておくと、体が冷えてしまいます。
体重が30g以下のような極小サイズの子猫は体温調節が苦手なので、
保温にも気を配ってください。
【トラブル対策】ミルクを飲まない・うんちが出ないときは?
「やってみたけど、うまくいかない…」
というときのために、よくあるトラブルと対処法をまとめました。
哺乳瓶の吸い口が大きすぎないか・小さすぎないか確認する
ミルクを飲んでくれないとき、まず確認してほしいのが乳首の穴のサイズです。
穴が大きすぎる場合:
ミルクが一気に出てむせてしまい、飲むのを嫌がります。
子猫が「ゴボゴボ」という音を立てていたら要注意です。
穴が小さすぎる場合:一生懸命吸っても出てこないので、疲れて諦めてしまいます
乳首を逆さにして振ったとき、ポタポタとゆっくり数滴落ちる程度がちょうどよいサイズです。
うまく出ない場合は、清潔な針で穴を少しだけ広げる方法もあります。
それでも飲まない場合は、ミルクの温度が低すぎないか、
子猫が寒くて体力を消耗していないかも確認してみてください。
2日以上うんちが出ない場合はすぐに動物病院へ
おしっこは毎回の授乳後に出ることが多いですが、
うんちは1〜2日に1回程度のペースの子も少なくありません。
ただし、2日以上うんちが出ていない場合は、自宅ケアだけで対処しようとせず、
動物病院に相談してください。
便秘が続くと、腸閉塞や腹部膨満など深刻な状態に進むことがあります。
「病院に連れて行くほどのことかな…」
と遠慮する必要はありません。
子猫を診てくれる獣医師は、こういった相談に慣れています。
受診の目安:
- 2日以上うんちが出ていない
- お腹が目に見えて膨らんでいる
- ぐったりして元気がない
- ミルクを全然飲もうとしない
上記に当てはまるものがあれば、迷わず電話してください。
最初は完璧じゃなくてもそのうち慣れるので大丈夫
「完璧にやらなきゃ」
と思い詰めなくて大丈夫です。
最初は不安で当たり前。私も何度も
「これで合ってるのかな」
と思いながら、おそるおそる哺乳瓶を差し出していました。
でも小さな体がゴクゴクとミルクを飲み始めたとき、
コットンを当てたらちゃんとおしっこが出たとき
——そのたびに
「ああ、生きてる」と感じて、自分も一緒に育てられているような気持ちになりました。
この記事の手順をひとつずつ試しながら、その子のペースに合わせてあげてください。
あなたのぬくもりと手間が、命をつないでいます。


