🐈⬛第2話
子猫を拾ったとき、最初に頭に浮かぶのは
「どうしよう、これから何をすればいいの?」
という不安や戸惑いの気持ちではないでしょうか。
下の写真の猫はわたしが12年前に保護した子猫。ものすごくちっちゃいのがわかる。

私も連れて帰ったのはいいものの、何から先にしたらいいのかさっぱりわかりませんでした。
保護したばかりの頃。形は猫だけど、手のひらに乗るくらいの大きさ。
不安しかなかったのを今でも覚えています。
第1話でお話しした「保温」をしてあげて、
ひと息ついたら、次に確認してほしいことがあります。
それが「この子は生後どのくらい(月齢・週齢)なのか」ということです。
なぜ年齢の推測がそれほど大切なのかというと、
月齢によって必要なお世話の内容がガラッと変わるからです。
生後3週間までの子猫にキャットフードを与えても、消化できずに命取りになることがあります。
逆に、生後2ヶ月の子猫にミルクだけしか飲ませていないと、成長に必要な栄養が足りなくなってしまいます。
「でも、猫を飼ったこともないのに年齢なんてどうやって調べるの?」
と思いますよね。でも大丈夫です。
特別な道具も、専門的な獣医さんの知識も必要ありません。
- 体重
- 歯の状態
- 目つきと行動
この3つを見るだけで、おおよその月齢をご自身で確認できます。
一つひとつ、一緒にチェックしていきましょう。
子猫の年齢・月齢を見分ける3つのチェックポイント
ポイント①:体重を測ってみる(料理用のキッチンスケールでOK)
(タニタキッチンスケール)
まず最初にやるべきことは
「体重を測ること」です。
料理用のキッチンスケールで十分ですので、お家にあるものをそのまま使ってください。
ボウルや小さめのカゴに子猫をそっと乗せて測ると、動かずに大人しく測れることが多いですよ。
体重は月齢を推測するうえで、もっとも分かりやすい目安になります。
- 100g〜200g未満: 生後約1週間以内(生まれたて)
- 200g〜300g前後: 生後1〜2週間ごろ
- 300g〜400g前後: 生後3〜4週間ごろ
- 400g〜1kg前後: 生後1〜2ヶ月ごろ

人間と同じように子猫にも個体差(生まれつきの体格の差)があります。
上はあくまで目安です。
特に保護したばかりの子猫は、栄養状態がよくない子もめずらしくありません。
うちの子は生後1ヶ月のはずなのに、ガリガリで生後2週間の体重しかありませんでした。
栄養状態が良くないことは野良猫あるあるです。
数字はあくまで目安です。
体重だけで断定せず、次の「歯」と「行動」もあわせて総合的に確認してみましょう。
ポイント②:口の中を見て「歯」が生えているか確認する
次に、子猫の口の中をそっと確認してみましょう。
指で上唇をやさしく上にめくるだけでOKです。
歯の発達状態は、体重よりも個体差が出にくいため、
月齢を見分けるうえで非常に信頼できるサインになります。
- 歯がまったく生えていない: 生後2週間以内の可能性が高い
- 前歯(切歯)が少しだけ見えている: 生後2〜3週間ごろ
- キバ(犬歯)がしっかり生えてきた: 生後3〜4週間ごろ
- 乳歯(26本)がすべて生え揃っている: 生後2ヶ月前後
「体重は300g未満で小さめだけど、キバがしっかり生えている」という場合は、
歯の状態(生後3〜4週ごろ)を優先して判断してみてください。
ポイント③:目つき・耳の形・歩き方(行動)を観察する
最後に、体の様子と動き方を見てみましょう。
これは触らなくてもじっくり観察するだけで確認できます。
【目の様子】
✔目がまだ完全に閉じている ➔ 生後1週間以内
✔目が開き始めている(半開き〜うっすら) ➔ 生後1〜2週間ごろ
✔目がしっかり開いて周囲をキョロキョロしている ➔ 生後3週間以降
【耳の様子】
✔耳が頭にペタッと折りたたまれている ➔ 生後1〜2週間ごろ
✔耳がピンと前に向かって立ち始めた ➔ 生後3週間ごろ
【動き方】
✔ほとんど自力で動かず、鳴き声だけ出す ➔ 生後1週間以内
✔よちよちとお腹を引きずりながら這うように動く ➔ 生後1〜2週間ごろ
✔自分の足でしっかり立って歩ける ➔ 生後3〜4週間ごろ
✔走ったり、何かに飛びついたり活発に動く ➔ 生後1ヶ月以降
これら3つのポイントを総合的に見ることで、
「だいたい生後◯週間くらいだな」
という見当がつけられます。
完璧に当てる必要はありません。おおよその目安がつかめれば、適切な次のケアに進むことができます。
【時期別】子猫の成長目安・お世話シート
① 生後0日〜1週間(へその緒付き・目が開いていない時期)

体重目安: 約100g〜200g未満
この時期の子猫は、人間の手のひらにすっぽり収まるほどの小ささです。
生まれたばかりで、お腹に乾燥した
「へその緒」がまだついていることもあります。
目も耳もまだ機能していません。
- 目が閉じたまま(まだ世界が見えていない)
- 耳も聞こえておらず、周囲の音に反応しない
- 自力でおしっこ・うんちができない(母猫に舐めてもらう必要がある状態)
- 体温調節がまったくできないため、とにかく「温かくすること」が最優先
この時期の子猫は、数時間放置しただけで命に関わります。
2〜3時間おきの昼夜を問わない授乳と、
排泄のサポート(食前食後にお尻をやさしく刺激する)が必要です。
「心配で夜中も3時間おきにアラームをかけて様子を確認した」
という経験のある保護主の方も多いと思います。
私も最初の一週間は本当にそうでした。
「こまめに様子を見つつ栄養を与える」
保護当初はこのことばかり考えていて、
本当に気持ちに余裕がありませんでした。
とても大変な時期ですが、この超初期を乗り越えると少し気持ちに余裕がでてきます。
② 生後1週間〜2週間(目が開き始める・よちよち動く時期)
体重目安: 約200g〜300g
少しずつ目が開き始める、感動的な時期です。
最初はうっすらとした細目で、ぼんやりと光を感じている程度。
まだ視界ははっきりしていません。
- 目が半開きになり始める(完全に開くのは生後10〜14日ごろ)
- 耳も少しずつ聞こえ始めるが、まだ形は折りたたまれている
- 前歯(切歯)が歯茎からうっすら見え始めることがある
- よちよちと這うように動けるが、まだ足元は不安定
授乳と排泄サポートは引き続き2〜4時間おきに必要です。
毎日体重が10g〜20gずつ増えていくのを感じると、
「生きてる、育ってる!」と心からホッとします。
子猫は体重が少ないうちは、病院へ行ってもできる診察や処置が限られてしまうことが多いです。
そのため、まずは自宅での授乳で体重を増やすことが最大の目標になります。
毎日少しずつ体重をスマホのメモアプリなどに記録しておくと、成長の変化が分かりやすくて安心ですよ。
③ 生後3週間〜4週間(乳歯が生え始める・おもちゃに興味を持つ時期)

体重目安: 約300g〜400g
ぐっと「子猫(にゃんこ)」らしい可愛い体つきになってくる時期です。
自分の足でしっかりと歩けるようになり、視界もクリアになって周囲のおもちゃに手を出し始めます。
しかし、おもちゃよりおもちゃが入っていた外装に夢中なのも猫あるある。
- キバ(犬歯)がしっかり生えてくる
- 自力で歩ける(這うのではなく、ちゃんと4本足で体を支えて歩く)
- 耳がピンと立ち、音のする方向へ反応する
- 遊びへの関心が出てくる(動くものをじっと見つめたり、手を追ったりする)
- 自力での排泄が少しずつできるようになり始める
この時期から、少しずつミルク以外の「離乳食」を受け入れる準備を始めることができます。
ただし、まだまだメインの栄養はミルクが必要な時期。
いきなりご飯に切り替えようとせず、ゆっくりと移行していきましょう。
④ 生後1ヶ月〜2ヶ月(離乳食スタート・元気に走り回る時期)
体重目安: 約400g〜1kg前後
ここまでくると、見た目も中身もすっかりわんぱくな「子猫」です。
動きも一気に活発になり、お世話をする側としても少し精神的な余裕が出てくる時期です。
- 乳歯が26本すべて生え揃う
- ジャンプや、自分で体を舐める「毛づくろい」ができるようになる
- 走ったり飛びついたりと、ケージの外でも元気に動き回る
- 子猫用のウェットフードや、ふやかしたドライフードを食べられる
- トイレの場所を覚えて、自力で排泄ができる
この時期の子猫を保護した場合は、夜間の頻回な授乳が必要ないため、
お世話の難易度は比較的低くなります。
ただし、母親からの免疫が切れて体調を崩しやすい繊細な時期でもあるため、
一度早めに動物病院を受診して、健康チェックや検便をしてもらうことをおすすめします。
子猫の年齢が分かったら!次に準備するお世話マニュアル
現在の月齢の見当がついたら、さっそく必要なお世話の道具を揃えましょう。
ケースA:生後3週間(体重400g未満)までの子猫だった場合
この子はまだ「ミルクしか飲めない人間の赤ちゃんと同じ状態」です。
キャットフードや固形の離乳食を与えても自力で食べられないどころか、
消化器官が未発達なため、胃腸に大きな負担をかけて命に関わることがあります。
今すぐ必要なのは、「授乳」と「排泄サポート」の2つです。
今すぐ準備するもの:
- 子猫用の総合栄養食ミルク(成猫用牛乳はNG。ペットショップやホームセンター、病院で購入できます)
- 猫用の哺乳瓶(どうしても用意できない場合は、針のないシリンジや、スポイトで代用します。※人間の
赤ちゃん用は吸い口が大きすぎて誤嚥の恐れがあるため避けてください) - 保温グッズ(湯たんぽや使い捨てカイロ。必ずタオルにくるんで低温やけどを防ぎます)
- コットンやティッシュ(お尻を優しくトントンして排泄を促すために使います)
- (ワンラックキャットミルク)
ケースB:生後4週間(体重400g以上)を過ぎている子猫だった場合
ここまで育っている子猫であれば、少しずつミルクから「離乳食」へのステップアップが可能です。
ただし、いきなり大人が食べるような固いドライフード(カリカリ)をそのまま与えるのはNGです。
まずは水分たっぷりのフードから、ゆっくり消化器官を慣れさせていきましょう。
今すぐ準備するもの:
- 子猫用の離乳食・ウェットフード(「総合栄養食」と記載されたパウチや缶詰。
食いつきが悪い時は子猫用ちゅーるを少量混ぜるのも効果的です) - 子猫用のドライフード(お湯や子猫用ミルクで芯がなくなるまでふやかして与えます)
- 浅くて平らなお皿(子猫の短いお顔でも食べやすく、鼻が当たらない平らな器がベストです)
- 子猫用のトイレ(まだ足腰がよちよちなので、入り口の縁が低くまたぎやすいもの)
- (ニュートロディリーディッシュ)
最初はスプーンから一口ずつ与えるなど、
食欲や翌日の便の状態(下痢をしていないか)をよく観察しながら進めてください。
「初めて自分の力でご飯を食べてくれた!」という瞬間は、これまでの疲れが吹き飛ぶほど嬉しいものですよ。
まとめ:完璧じゃなくて大丈夫。まずは「目安」を知ることから
「子猫の年齢の見分け方」と聞くと最初は難しそうに感じるかもしれませんが、
【体重・歯・行動】の3つを落ち着いて観察すれば、プロでなくても大体のことは分かります。
完璧に何日生まれかまで正解しなくても大丈夫です。
「たぶん生後3週間くらいかな」
という見当さえつけば、今夜どんなお世話をして、
明日何を買いに行けばいいのかが見えてきます。
「この子を助けたい」
と思って調べて動いている時点で、あなたはもう十分がんばっています。
焦らずひとつずつ、目の前のできることから一緒に始めていきましょう。


